中国成都道教文化祭 2010.09
青城山登山
晩餐会と開会式が行なわれた翌朝、6時20分にホテルを出発、青城山に行き、今日は登山です。
添乗員の毛さんはお茶を飲むように楽しく登ると言われていましたが、いざ歩き始めるとなんとなんと大変な強行軍でした。
時間にしたら、山道を登りながら1時間40分でしたが、その1時間40分が長かったこと。妙聴久々の山歩きでした。
中国成都道教文化祭 2010.09
辛い成都の女性
途中で私たちの前を歩いていた若い中国のスタッフの女性たちは、道がはっきりしていない山道の方向へ、男性は石で道が作られている通常ルートの方向へと分かれたので、どういうことかと訪ねると、道が悪い方はだいたい三分の二の時間で到着するというのです。
じつは成都は女性が強く、四川料理と同じで辛いといわれるのだそうです。気が強く、食事の支度は男性がするし、女性は料理がつくれなくて、きついのが良いという、まるで女性天国だとガイドの毛さん(女性)が言われるのです。ですから道も険しくて足下が悪い方は女性が選び、足下が良い方は男性が選ぶ。なんだかここに成都の男女の姿がそのまま見て取れると思いました。
そしてこちらの方が早く着くという言葉で安易に女性の選んだ方に決めたことに後悔するのは、それから5分もかかりませんでした。雨でぬかるんだ道を登ってゆくと、だんだん険しくなり、滑りそうになり、ああ、いつまでこの道をゆくのかしらと心配になったくらいです。
そしてやっと登って辿り着いた老君閣! ほとんどの道士より先に到着したのですから、老君閣の老子様もきっと喜ばれていたことでしょう。
中国成都道教文化祭 2010.09
老君閣での道教儀礼
儀礼が始まると、さわやかな山の空気の中での法要は、やはりとても気持ち良く、道教発祥の地である青城山の山頂での道教儀礼に参列させていただいたこのご縁は、タオイストとして大変ありがたいことであると心から感謝しました。
考えてみれば、妙瑞道長の代理でこうして中国道教発祥の地の山に登り、儀礼に参加させていただいていること自体が、本当に希な素晴らしい出会いであり、天來大先生が仕組まれたことであり、決して偶然なんかじゃないのだと思いました。だからこそ、疲れたなんて言っていられないのです。儀礼の途中で中央に長春観の道長が立たれ、その隣で世界の道士たちと共に並び、一人ずつ礼拝をさせていただく機会もありました。道教発祥の地、青城山の老君(老子様)に日本道観の修業者を代表して心から礼拝をしてまいりました。
もともと9月は気流が不安定だから飛行機に乗らないという日本道観なのですが、今回は妙端道長へのご招待状が届いた時に、ふと、これはご招待をお受けしたほうがよいのだろう、そう直感したのです。これは気です。そしてこの気は間違えなかったのでした。中国正一教発祥の地、青城山に参拝できたことは、そして日本の道士として世界の道士とともに礼拝させていただけたことは、妙聴のタオイストとしての人生で大きな歴史となったのです。
そして今回のちょっと苦心した山登りに思うことは、やはり神様のおられる山は、あまり軽々しく登れないのがよいのでしょう。苦労して参拝させていただいたおかげで、一生忘れられない思い出になったのでした。中国道教協会の皆様、また現地でいろいろお世話いただいた皆様に心からの感謝をお伝えしたいと思います。
下山してすぐ北京への飛行機に乗り、翌日は導引の共同研究者とお目にかかり、深夜には成田に戻りました。
あっという間の成都での日々を思い起こし、そしてその旅を手配してくださった天來大先生に心よりの感謝をささげました。
こうして実践する場を与えてくださった天來大先生、妙端道長に心から感謝しながら、また重い荷物やカメラを持っていっしょに青城山に登り、記録を撮り、通訳をしてくれたスタッフに感謝して、益々元気にタオイズムを語ってゆきたいと思います。そして進めば進むほど深く神秘的になるタオイズムの旅を、皆様と共に益々楽しく歩んでいきたいと思います。
早島妙聴